Learn東京野菜図鑑
なかなか出会えない
都内産野菜たちの情報を、
栄養素や食べ方なども
ご一緒に紹介いたします。
公益財団法人 東京都農林水産振興財団の
TOKYO GROWN(トウキョウ グロウン)より
提供された写真・テキストを活用しております。
江戸東京野菜
ご存知ですか?江戸東京野菜
江戸東京野菜とは、種苗の大半が自家採種または近隣の種苗商により確保されていた江戸から昭和中期(40年代)までのいわゆる固定種の野菜、または在来の栽培法等に由来する野菜です。江戸時代から人々の食生活を支えてきた江戸東京野菜ですが、農地の減少のほか、収穫量が少なく栽培に手間がかかるということもあり、一時は、その姿が食卓から消えつつありました。しかし、今日まで引き継がれてきた命を絶やしてはいけないと、現在、伝統野菜を普及させようという活動が広がっています。江戸東京野菜には、それぞれに歴史や開発についての物語があり、味や形など個性豊かで魅力にあふれています。現在50種類(2019年12月現在)がJA東京中央会に認定されており、季節は限定されますが、JAの店舗で購入できるほか、江戸東京野菜を食材として使うレストランも増えています。
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八丈オクラ
オクラはアオイ科の植物で、日本には江戸時代末期にアメリカ人によってもたらされました。名前は英語名の「okra」が一般的に使われています。温暖な気候を好むオクラは、東京都では八丈島で栽培が盛んです。八丈オクラの実は15~20cmと通常のオクラよりも大きめで、やわらかくほんのりとした甘味があります。また、さやに角がなく、断面は星形ではなく丸みを帯びているのが特徴です。八丈島では「ネリ」と呼ばれ、生のまま、あるいはサッと軽くゆでて輪切りにしたものにカツオ節をかけて食べます。
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品川カブ
一般的なカブのように丸みを帯びておらず、大根のような細長い形をしています。江戸時代には漬け物に使われ、江戸っ子の食卓には欠かせない存在でした。また、土壌環境が似ている滝野川周辺(現在の北区)でも栽培されており、「滝野川カブ」とも呼ばれていました。明治時代以降は栽培が途絶えていましたが、北品川にある青果店の経営者が、江戸時代の書物に描かれていたカブが小平市で栽培されていた「東京大長カブ」とよく似ていることを発見し、地元・品川の名を冠した江戸東京野菜として復活しました。現在は品川区内の有志の人たちが栽培に取り組み、地元のイベントなどで紹介されています。
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ノラボウナ
ノラボウナの原種は、闍婆(ジャバ、現在のジャワ島)を経由してオランダの交易船が持ち込んだセイヨウアブラナ(洋種ナバナ)の一種「闍婆菜」(ジャバナ)の品種という説があります。江戸時代にあきる野・五日市周辺で栽培が始まり、当時は食用のほかに、種子から油も搾っていました。天明・天保の飢饉では、このノラボウナのおかげで、この地域の住民が救われたといいます。葉も茎もやわらかく、ほんのり甘い、春の訪れを告げる伝統野菜です。毎年3月の最終日曜日には、子生(こやす)神社で「のらぼうまつり」が開催され、五日市産のノラボウナを使ったおやきや大福などの出店で賑わいます。
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千住ネギ
中国から伝わったと言われるネギ。当初は「青ネギ」というほとんど葉を食す葉ネギでした。それが関東に伝わるにつれ白い部分を食べるようになり、改良された結果現在の「白ネギ」なりました。千住ネギは、「白ネギ」として江戸時代に江東区の砂村から千住に伝わった根深ネギの一種で、ねぎ産地で集積地だった千住の名前が付きました。通年栽培されますが、収穫時期によって秋冬どり、春どり、夏秋どりに大別されます。甘くて柔らかいのが特徴でメロン以上の糖度にもなります。江戸っ子に愛された伝統のネギです。
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内藤かぼちゃ
信州の高遠藩主である内藤家の下屋敷が現在の新宿御苑のあたりにあり、その地で栽培されていたことから内藤かぼちゃと呼ばれています。内藤かぼちゃは宿場の名物になり、周辺農家に波及し、角筈村、柏木村で地域野菜として定着しました。西洋かぼちゃとは異なり、水分が多いのに煮崩れしにくく、ねっとりとした味わいがあり、煮物向けに最適と言われています。早生種で、収穫時は緑色ですが熟すとともに橙色っぽい色に変化していきます。果実は外皮が薄くて果肉が厚く、熟しきった頃には果実の表面に白い粉がつきます。また実を裏返して花落ち部分をみると全体が菊の花の様に見えることから「菊座かぼちゃ」ともいわれるようになりました。
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柳久保小麦
江戸時代に現在の東久留米市柳窪の奥住又右衛門が、旅先から持ち帰った小麦を育てたところ、良質の小麦粉がとれ、それでうどんをこねると、香りがたかいおいしいうどんができたという伝承が残っています。その後、第二次大戦前まで東京各地や神奈川県など近隣県でも栽培されました。また、麦の草丈が長いのが特徴で、麦藁は農家の「わら屋根」にも利用され重宝されました。しかし、戦時中の食糧増産のなかで、収量が少ないこと、倒れやすいことなどから作付けがなくなり、「幻の小麦」と言われるようになりました。昭和の終わりに、四代目にあたる奥住和夫氏が農水省生物資源研究所のジーンバンクに保存されていたタネを譲り受けて栽培が復活しました。現在、改めて品種が見直され、多くはありませんが市場に出荷されるようになりました。
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谷中ショウガ
谷中生姜は、かつて荒川の地で栽培されていました。谷中本村(現西日暮里一丁目、二丁目付近)で栽培された葉生姜、それが本来の谷中生姜です。谷中は水に恵まれ、排水も良く、しかも西日に当たらない土地で栽培されていました。三河島や尾久でも栽培されていましたが、谷中本村で栽培されたものはスジがなく香りも良いとして、お盆の際には贈答品としても使われました。栽培には、きれいな水と西日の当らない場所が必要とされ、谷中本村はその栽培に適した場所だったのです。関東大震災後、都心部の市街地からの人口流入等により、農地は格段に減り、戦前には、ついに谷中生姜は栽培されなくなりました。谷中ショウガは、「盆ショウガ」ともいわれ、夏の盛りの食欲増進のために、江戸っ子の食卓に上りました。根茎がまだ小さく柔らかいうちに葉が付いたまま若取りしたもので、主に小生姜と呼ばれる小ぶりの生姜品種が用いられます。葉生姜の根茎は柔らかく、辛味も一般的な生姜ほど強くありませんが、風味がよく、生のままかじることも出来ます。芽の付け根の赤みが強く出ているものの方が良品として扱われています。
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練馬ダイコン
江戸幕府五代将軍・徳川綱吉がビタミン類の不足による脚気や鳥目を患い、治療のために食したことから栽培を命じたといわれ、大きいものは80㎝~1mにもなります。尾張ダイコンと練馬の地ダイコンとの交配から選抜・改良されたもので、享保年間(1716~1736)には練馬ダイコンの名が定着していきました。一般に流通しているダイコンに比べて、土から引き抜くのに3~5倍の力が必要な練馬ダイコン。引き抜くスピードなどを競う「練馬ダイコン引っこ抜き競技大会」(毎年12月1週の日曜に開催)が平成19年(2007)から始まり、近年では500名を超える参加者が集まる一大イベントとなっています。
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伝統大蔵ダイコン
江戸時代、豊多摩郡(現在の杉並区あたり)の「源内」という農民が作り出した「源内つまりダイコン」が原種。それが世田谷区大蔵原に伝わり、昭和28年(1953)に石井泰治郎が品種登録し、昭和40年代までは世田谷の各所で栽培されていました。一度は姿を消した大蔵ダイコンでしたが、「世田谷区内の農産物をPRするためにも地元ゆかりの野菜である大蔵ダイコンを見直そう」と、区内農家が平成9年(1997)度から再び栽培を開始。伝統大蔵ダイコンは平成14年(2002)に本格的に復活させたもので、以前からある大蔵ダイコンと区別するために「伝統大蔵ダイコン」として平成23年(2011)から販売を始めました。
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亀戸ダイコン
根が30㎝程度の短いダイコンで、先がくさび状に尖っているのが特徴。文久年間(1860~1864)の頃から昭和初期まで、亀戸香取神社周辺で栽培されていました。この周辺は、荒川流域の肥沃な粘土質土壌だったため、ダイコンづくりに適していたといわれています。特に明治の頃は盛んに栽培され、「おかめダイコン」「お多福ダイコン」などと呼ばれていましたが、大正初期に産地の名を付けて「亀戸ダイコン」と呼ばれるようになりました。毎年3月には、亀戸ダイコンを奉納する「福分けまつり」が亀戸香取神社で開催されています。根も茎も葉もクセがなく、シャキシャキとした食感で浅漬けにすると格別です。
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金町コカブ
明治末期、金町(現在の東金町)の長谷碌之助が、早採りできるように改良したといわれています。当時は、千住青物市場(現在の足立区にあった)に出荷され、高級料亭等に高値で取り引きされていました。金町コカブは、春に花芽が出にくい性質をもっているため、春に栽培がしやすい特性を生かして、金町一体で盛んに生産が行われるようになり、さらに東京から全国に広まっていきました。青物が乏しい春先、霜や寒さで傷んでいない青々とした葉や、真っ白で光沢のあるカブは、春を告げる野菜として大変喜ばれました。冬の寒さにあたると甘味が増し、煮崩れしにくいので、炊き合わせや煮物にも向いています。
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ごせき(後関)晩生小松菜(伝統小松菜)
江戸幕府八代将軍・徳川吉宗が鷹狩りに出かけた際、小松川村(現在の江戸川区)で休息し、そこで接待役を務めた亀戸香取神社の神主が、青菜を彩りにあしらった餅のすまし汁を差し出しました。それを将軍がいたく気に入り、この菜を地名にちなんで「小松菜(コマツナ)」と命名されたと伝わっています。冬場でも栽培しやすく、霜にあたると旨味が増すことから、関東周辺で盛んに栽培されるようになり、早生、晩生の多くの品種が生まれました。現在、一般流通されているコマツナのほとんどは、病害虫に弱いなどの伝統小松菜の弱点を解消するために、中国野菜の青梗菜などとのかけ合わせで作られた品種といわれています。
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馬込半白キュウリ
上部が緑色で、そこから先に向けてだんだん白くなるこのキュウリは、馬込村(現在の大田区馬込地区)が発祥。馬込村では、昔から大井節成(ふしなり)キュウリが多く栽培されていましたが、明治時代に馬込中丸の篤農家・河原梅次郎が、この大井節成キュウリにウリを掛け合わせて改良したのが「馬込半白キュウリ」です。長さは20~25㎝程で現在のキュウリに比べて太く、両端が丸いのが特徴。キュウリ本来の風味が強く、みずみずしくパリッとした食感があり、古くからぬか漬けに使われてきました。生に味噌を付けたり、薄切りにしてサラダや和え物にしたりしてもおいしく味わえます。
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拝島ネギ
鍋料理に欠かせないのが長ネギ。拝島ネギは、生では辛味が強いですが、熱を加えることで甘味が増すため、鍋料理に最適です。昭和初期に茨城県の水戸から持ち込まれ、作付けが始まった拝島ネギは、その後も平成10年(1998)までは市場出荷していました。しかし、やわらかい特性のため栽培が難しく、育てやすい新品種が出回るにつれて生産者は徐々に減少し、一時期は3~4名程度までになりました。平成19年(2007)から昭島市と農家が協力して復活を目指す活動が始まり、平成25年(2013)時点で10名程度が栽培しています。白い根の部分が太めで青い葉の部分はやわらかいのが特徴です。
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八王子ショウガ
鮮やかな黄色味を帯びており、辛味が少ない八王子ショウガ。筋っぽさがなく、みずみずしいのも特徴の一つです。このショウガは八王子市加住町の生産者、村内米吉の祖父・和介が、近所で桶屋業を営んでいた森田弁吉から昭和初期にもらい受けたのが始まりといわれています。以降80年以上にわたり、毎年途絶えることなく生産されてきました。毎年9月に永福稲荷神社で開催される通称「しょうが祭り」は、江戸時代から続く例大祭。ショウガは風邪に効く特効薬として古くから知られ、当日の境内は無病息災を願ってショウガを買い求める多くの人々で賑わいます。
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東京ウド
ウドは、タラの芽などと同じウコギ科の植物で、数少ない日本原産の野菜の一つ。主に山野に自生しています。その歴史は古く、平安時代の書物にも記載があるほどです。東京では、幕末に吉祥寺で栽培が始まり、初ガツオなどのように初物を楽しむ江戸っ子の粋な楽しみの一つでした。東京ウドは、関東ローム層の崩れにくい粘土質が地中深く穴を掘るのに適していたことから、光の入らない「室(ムロ)」と呼ばれる地下3mほどの穴の中で育てられます。この方法は他の産地にはない独特のもので、地下で育てられることから真っ白でアクが少ないことも特徴になっています。
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早稲田ミョウガ
江戸時代から大正時代にかけて早稲田周辺で広く栽培され、大きく赤味を帯びた美しさと香りのよさで徳川将軍家の食膳を彩りました。文京区にある茗荷谷という地名は、このあたりにもミョウガ畑が広がっていたことに由来するとされます。明治時代以降、早稲田周辺は宅地造成が進んだことでミョウガ畑はなくなってしまいましたが、近年になって地下茎が見つかり、平成23年(2011)に復活を果たしました。一般的に食用とされるツボミ部分は秋が旬ですが、茎の部分を遮光して軟化伸長させたミョウガタケは、春から初夏の味覚として親しまれています。
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内藤トウガラシ
現在、新宿御苑となっている一帯は、かつて高遠藩(現在の長野県伊那市)内藤家の下屋敷があった場所で、周辺ではトウガラシが盛んに栽培されていました。収穫時期を迎えた晩秋から初冬は、畑が一面真っ赤に染まるほどだったといわれています。品種は実が大きな八房(やつぶさ)トウガラシで、江戸っ子に親しまれていたソバの薬味などに用いられました。一時、栽培が途絶えた時期もありましたが、指定農家で栽培・生産が可能になったことから、2013年に江戸東京野菜に認定されました。発祥の地である新宿区では、学校で栽培したり、即売会を行ったりして普及に取り組んでいます。
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寺島ナス
通常のナスよりもやや小ぶりで、皮が固く肉質がしっかりしているのが特徴。「蔓細千成(つるぼそせんなり)ナス」とも呼ばれています。隅田川沿いの肥沃な土地が栽培に適していたことから、寺島村(現在の墨田区)を中心に栽培されていました。ほかの品種よりも早く収穫期を迎える寺島ナスは、文政11年(1828)に発行された『新編武蔵風土記稿』にも「形は小なれどもわせなすと呼び賞美す」と記され、地域の特産品として千住や神田へ出荷されていました。大正時代に起こった関東大震災後、宅地化による畑の減少で生産が途絶えてしまいましたが、2009年に復活を果たしました。
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馬込三寸ニンジン
大田区西馬込の農家・河原清吉らが、明治から大正時代にかけて日本に伝わった西洋ニンジン「砂村三寸」と「川崎三寸」を交配させてつくり出し、昭和25年(1950)に種苗名称登録された比較的新しい野菜です。それまでニンジンといえば、滝野川大長ニンジンのような長さが1mもある長ニンジンが主流でした。この長ニンジンの栽培技術を生かして生まれた馬込三寸ニンジンは、長さ10cmほどで先が丸みを帯びた太くずんぐりとした形をしていて、きれいな色に加えて香りや味もよいのが特徴です。煮物はもちろん、生でもおいしく食べられます。
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シントリ菜
アブラナ科の野菜で、漢字では「芯取菜」と書き、芯の部分をお吸い物などに使っていたことが名前の由来といわれています。また葉の部分に細かいしわがあることから「ちりめん白菜」とも呼ばれています。昭和40年代に江戸川区や葛飾区、足立区で盛んに栽培され、芯はシャキシャキ、葉はやわらかく口当たりがよいことから、当時はチンゲン菜に代わる野菜として、中華料理の炒め物やスープに重宝されました。その後、中国野菜が日本国内でも多く作られるようになりますが、現在も東京都東部で栽培が続けられています。露地もののほか、ハウス栽培も行われています。
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滝野川ゴボウ
長さ1mほど、しなるようなやわらかさをもつ滝野川ゴボウ。栽培が始まったのは元禄年間(1688~1704)のことで、水はけがよい黒土に覆われた滝野川村(現在の北区滝野川)周辺は、ゴボウの栽培に適していました。この村に住む鈴木源吾により品種改良と採種が行われ、豊かな土の香りと食味のよさから全国に広まった優良品種です。国内で栽培されるゴボウの9割以上は、滝野川ゴボウの系統といわれており、練馬区で栽培されている「中ノ宮ゴボウ」や「渡辺早生ゴボウ」も、夏に収穫期を迎えるように滝野川ゴボウから改良されたものです。
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足立のつまもの
ツマモノとは、漢字で「妻物」と書き、さまざまな料理に添えて季節感や風味を演出し、特に和食には欠かせない存在の野菜です。中でも、穂ジソ、ツル菜、木の芽、鮎タデ、あさつき、メカブ、紫芽(むらめ)の7種類が「足立のつまもの」といわれています。江戸時代には、料亭が集まっていた三河島村(現在の荒川区)周辺で多く栽培され、明治から大正時代に隅田川対岸の足立区栗原や伊興地区に広まりました。ピンセットで選別するなど細かな手作業が多く、出荷の際も細心の注意が必要ですが、狭い農地でも栽培が可能なため、現在も住宅地が広がる中に畑が点在し、都市農業の一翼を担っています。
都内産野菜
こんなにたくさん!都内産野菜
地域から運ばれてくる野菜が大量に並ぶことの多いスーパーマーケットや小売店。そういった場所には並ばない、貴重な東京の産直野菜は実はこんなに種類があります。東京ならでばのブランド野菜もありますので、ぜひとも知って、買って、楽しんでください。
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コマツナ
江戸時代、江戸川近くの小松川周辺で栽培されたことから、徳川吉宗がこの名を付けたといわれる東京生まれのアブラナ科の野菜。東京はもちろん、神奈川、埼玉、千葉などといった都市近郊が主な産地です。栄養価が極めて高く、カルシウムはホウレンソウの5倍、カロテンもビタミンCも豊富に含んでいます。また、味にクセがなく、お浸し、炒め物、煮物、汁の具材など、料理に幅広く利用できる緑黄色野菜の優等生です。旬は冬で、寒さに強く霜が降りると甘味を増すこともあり、東京の雑煮には欠かせない存在となっています。
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キャベツ
江戸時代オランダから渡来した当初は、もっぱら鑑賞用として栽培されていましたが、明治期以降、アメリカから新しい品種を導入し食用として開発されました。季節に合わせた品種が作られており、春キャベツ、グリーンボール、紫キャベツ、芽キャベツなど種類もさまざま。青汁でおなじみのケールはキャベツの原種といわれています。豊富に含まれているビタミンC、キャベジンの名で知られているビタミン様物質は、水に溶けやすい水溶性です。必要以上に洗うと水に溶け出てしまうので気を付ける必要があります。トンカツやコロッケなどに欠かせない千切りキャベツは、日本独自の食べ方です。
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ブロッコリー
キャベツの原種から、花蕾と茎を肥大化させて作られました。日本に渡来したのは明治時代ですが、一般に食べられるようになったのは昭和50年(1975)以降です。メイン料理の付け合わせやサラダなど、脇役的に使われますが、栄養の面では主役級。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。最近では茎の甘さを楽しむスティックセニョールやアスリー、グリーンボイスといった品種も登場しました。スプラウト(新芽)も人気です。茹でて食し、茎の部分は糖度の減少が早くなっています。蕾がぎっしり詰まり、硬く引き締まったものを選び、茎に空洞がないかなども確認を。
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ダイコン
日本で最も需要があり重宝される野菜といっても過言ではないダイコン。ビタミンCのほか、消化を助けるジアスターゼなどの酵素が豊富で、ダイコンおろしで食べるとその効果を発揮します。ダイコンには多くの品種があり、形や色、大きさもさまざまですが、生産量が多く、一般に流通しているダイコンの大半は青首大根です。日に当たって葉の付け根が青くなっているのが特徴で、根の上部は特に甘味が強く、下部は程良い辛味があるとされています。一方、江戸東京野菜の練馬ダイコン、大蔵ダイコン、亀戸ダイコンは白首大根に分類され、サラダや甘酢漬けに最適なラディッシュもダイコンの一種です。
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トウモロコシ
中南米原産のイネ科の植物。日本では甘味種(スイートコーン)が一般的で、ヤングコーンは、スイートコーンの幼穂を摘み取ったものです。甘味種のほか、粒が小さく硬いポップコーン用の爆裂種、デンプンや飼料になるデント種などがあります。産地として有名なのは全国的に見ると北海道ですが、東京都内でも各地で直売品目として栽培されており、特にあきる野市五日市街道沿いの「トウモロコシ街道」と呼ばれる一帯は一大生産地です。スイートコーンはビタミンB、Eなどが豊富で食物繊維も多いですが、味も栄養素も収穫後の劣化は早いので、収穫したその日に食べるのがベスト。保存する場合は、加熱してから冷凍するか、皮を剥かず立てて冷蔵庫で保存します。
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ウド
フキやワサビと並ぶ希少な日本原産の野菜。ほのかな苦みとシャキシャキした歯応えが特徴で、春を感じさせる山菜として、古くから日本で食されてきました。現在ウドとしてスーパーなどに並ぶほとんどが、栽培物の軟白ウドです。畑で根株を育て、それを穴や室の中で日光を当てず栽培する純白のウド。天然のものに比べて苦みがまろやかでやわらかいのが特徴です。ほとんどが水分で食物繊維も豊富、エネルギー代謝を高めるといわれるアスパラギン酸を多く含むヘルシーな野菜です。生のまま食べることもできますが、アクがあるので皮を厚めに剥いてから酢水に浸けておく必要があります。
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ワサビ
アブラナ科の多年草。山間の清流の浅瀬に生育しており、日本では古くから薬用や香辛料として利用されていました。刺身や寿司、そばの薬味にはなくてはならない存在で、近年の寿司ブームとともに、海外からも注目を集めています。主に根茎部分を食用にしますが、葉柄や花芽も、葉ワサビ、花ワサビとして食されます。東京では奥多摩町が産地として有名です。奥多摩山系から多摩川本流にワサビ田が点在し、奥多摩の清涼な水が育む奥多摩わさびは絶品。古くは江戸時代、将軍家にも献上されていたといわれています。香りの高さと粘り気が特徴。
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アシタバ
日本原産のセリ科の植物。今日摘んでも明日には新しい芽が出始めると例えられるほど成長が早いので、「アシタバ」と名付けられました。房総半島や三浦半島、伊豆諸島など、温暖な太平洋沿岸部に自生しています。セリ科植物の特徴である独特の香りと苦みがありますが、ビタミン類のほか、カロテン、カリウム、鉄分などが豊富に含まれ栄養価が高く、健康野菜として注目を集めています。青汁の原料としても有名で、お茶などにも加工されています。茎や葉を傷付けると出る黄色い液にはポリフェノールの一種カルコンが含まれており、カルコンには、血糖値の低下、血圧上昇抑制効果が認められています。
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島トウガラシ
東京島しょエリアの特産物の一つである島トウガラシは、一説には硫黄島から伝わったといわれ、「硫黄島トウガラシ」とも呼ばれています。沖縄地方でいう「コーレーグス」と同じキダチトウガラシの一種で、実は小さめですが香りがよく辛味が強いのが特徴です。伊豆諸島や小笠原諸島では、まだ青いトウガラシをワサビ代わりに薬味として使って刺身を食べるのが一般的です。醤油や味噌、酢、ラー油と一緒に漬け込んだり、赤いものを一味唐辛子などに加工したりしたものは、島のみやげとして人気を集めています。
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ホウレンソウ
西アジア原産の葉物野菜で、日本には江戸時代に大陸から伝わりました。繊維が少なく口当たりがよいため、おひたしをはじめ、炒め物や煮物など、ジャンルを問わずさまざまな料理に使われます。ビタミンAやCが豊富で、栄養価の高さはアメリカの漫画映画『ポパイ』で、主人公がホウレンソウを食べてパワーアップするシーンでも有名です。葉先がとがっていて甘味のある東洋種と丸みのある厚い葉が特徴の西洋種に大別されますが、現在は両者のよい点をもった交配種が多く栽培されています。旬を迎える冬場は、夏場よりも栄養価が高く、甘みが増しておいしくなります。
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ミニトマト
直径3cmほど、重さ30gくらいまでの小さなトマトの総称です。通常のトマトよりも甘みが強く、ひと口で食べられる手軽さも手伝って、料理の付け合わせやお弁当で重宝されています。栽培も比較的簡単で、庭やベランダでも可能であること、1株からたくさん収穫できることから、家庭菜園でも人気の高い野菜です。生で食べるのはもちろん、コロンとした形を生かしてスープや煮物の具にしてもおいしく食べられます。近年は黄色や緑色、紫色など、カラーバリエーションも豊富になってきており、料理に華やかな彩りを加えてくれます。
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ジャガイモ
慶長6年(1601)にインドネシアのジャカトラ(現在のジャカルタ)を経由して日本にもたらされたといわれています。冷涼で乾燥した気候でも栽培が可能なことから、明治時代に入ると北海道で本格的に栽培が行われ、開拓者たちの食を支えました。「男爵」という品種が全国の生産量の半分を占めていますが、男爵の後継で昭和63年(1988)に品種登録された「キタアカリ」も近年は生産が伸びています。これら男爵系統の品種は、デンプンの含有量が多いのが特徴で、そのホクホクとした食感を生かしてコロッケやマッシュポテトで味わうのがおすすめです。
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サトイモ
山に自生する芋(山芋)に対して、“里で栽培されている芋”が名前の由来とされ、その歴史はジャガイモやサツマイモよりもずっと古く、室町時代の文献に記述が見られるほどです。食用にする部分は根のように見えますが、じつは茎が肥大したもの。小さな芋がいくつも付いている様子から、日本では子孫繁栄を思わせる縁起のよい食べ物として、お正月やハレの日の料理に用いられることも多い野菜です。
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ニンジン
ニンジンは、大きく分けて根が長い東洋系と短い欧州系の2種があり、北区で栽培されている江戸東京野菜「滝野川大長ニンジン」は、17世紀ごろに中国から伝わった東洋系のニンジンがルーツです。一方、18世紀後半に日本に入って来た欧州系のニンジンは、どんな土壌でもよく生育し、収穫しやすいことなどから、現在はこちらが主流となっています。ニンジンに豊富に含まれているカロテンには抗酸化作用があるほか、皮膚や粘膜の強化や免疫機能向上に効果があるとされています。都内屈指の出荷量を誇る清瀬市では、カロテンが豊富な新品種「ベーターキャロット」を使ったジャムやジュースが好評を博しています。
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キュウリ
キュウリは90%が水分で、ビタミンC以外の栄養素はほとんど含まれていませんが、みずみずしくさっぱりとした風味とシャキッと軽快な食感を楽しめるのが特徴です。インド北部が原産地とされ、中国北部を経て広まった華北系と、ミャンマー経由で広まった華南系に大きく分かれ、日本では両者が交雑しながら広まっていきました。表面にある突起(いぼ)が白いものは華北系で、皮が薄く水分が多いので、サラダなど生食に適しています。一方、黒っぽい突起をもつ華南系は、味が濃く実が固いので、漬け物などの加工用に多く使われています。
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サヤエンドウ
古代エジプトの遺跡から発見されたほど、古くから食用として栽培されてきたマメ科の植物で、グリーンピースやスナックエンドウも同じ仲間です。さやごと食べることができ、なかでも表面が絹のように艶やかで、やわらかな食感をもつ「キヌサヤエンドウ(通称:キヌサヤ)」は人気があります。火を通しても鮮やかな緑色を保つサヤエンドウは、料理に彩りを添えるのにぴったり。サッとゆでてサラダで味わうのもおすすめです。栄養価も高く、糖質や食物繊維のほか、ビタミンCも豊富です。伊豆諸島の大島では長さが10cm以上になる「オオサヤエンドウ」が特産品として栽培されています。
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ワケネギ
青い葉の部分を食べるネギの一種で、1つの株からいくつも分かれて増えていくことが名前の由来です。西日本を中心に流通している「ワケギ」と名前が似ていますが、ワケギはネギとは別の植物です。東京では昭和初期から葛飾区や足立区周辺でワケネギが栽培されてきました。平成29年(2017)2月に農林水産省に登録された「東京小町」は、東京生まれの新しい品種で、夏の暑さに強く、葉が固くなり食味が落ちてしまう抽だい(ねぎぼうず)ができにくい点が特徴です。葉の部分は緑色が美しく、肉厚なのに柔らかで食べごたえのある優良品種として、今後の生産が期待されています。
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エダマメ
エダマメとは未成熟の大豆のことで、さやが緑色のうちに収穫し、ゆでて食べます。山形県の「だだちゃ豆」や新潟県の「茶豆」など、地域ブランドとして全国的に知られる品種もあります。タンパク質やカルシウム、カリウムなど、さまざまな栄養素が含まれているうえ、食物繊維も豊富です。近年は、低カロリーで糖や脂質の代謝を促進するとされるビタミンB1やB2が多いことから、低糖質ダイエット向きの食材としても注目を集めています。鮮度が落ちるのが早いので、購入する際は枝付きのものを選び、早めに味わうようにしましょう。
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トマト
南米アンデス山地を原産とするナス科の野菜で、日本には江戸時代初期に伝わりました。当初は観賞用の植物として扱われ、食用として栽培されるようになったのは昭和に入ってからのことです。日本ではサラダなど生で食べることが多いため、酸味が少なく甘みの強い様々な品種が開発されています。旬は夏ですが、ハウス栽培や露地ものなど、栽培方法が多様化したこともあり、今では通年味わえるようになりました。トマトの栽培が盛んな日野市では、5月になると採れたてのトマトが直売所に並ぶなどトマトは都内各地で人気の品目です。
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サツマイモ
加熱することでデンプン質が糖に変わり、甘みが増すサツマイモは、焼いても煮てもおいしく、さまざまな料理や、スイートポテトのようなスイーツにも用いられます。江戸中期の8代将軍徳川吉宗の時代に起こった大飢饉の際には、薩摩(現在の鹿児島県)から種イモを取り寄せて栽培に取り組み、米に代わる食材として人々の食を支えました。東京をはじめ関東地方では、ホクホクとした食感が特徴の「紅あずま」が多く栽培されています。秋の収穫期に畑で行われるサツマイモ堀り体験は、子どもたちに人気のイベントとなっています。
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東京おひさまベリー
「東京おひさまベリー」は、2019年3月に品種登録された露地栽培用イチゴです。従来の露地栽培用品種と比べて果実が大きく、光沢があり、果皮や果肉がしまっているため、取り扱いも容易です。また、果実は甘く、内部は赤く、特有の芳香があります。近年のイチゴ新品種は冬から初夏に収穫される施設栽培用のものが大半ですが、都内では、イチゴの本来の旬である5月収穫の露地栽培も?われています。特に、直売所での販売や摘み取り等の収穫体験が主であり、生産者と消費者の交流を深める機会として好評です。また、東京おひさまベリーは施設がなくても栽培できるため、家庭菜園にも最適です。
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なす
原産地はインドの東部と言われ、その後、ビルマを経由して中国へ渡ったとされています。日本でも1000年以上に渡り栽培されていいます。実の味から「中酸実」(なかすみ)が語源とされていますが、夏に実がなるので「夏実」(なつみ)と読んだが、それが訛って「なすび」(奈須比)と呼ばれたとする説もあります。江戸時代頃より広く栽培されるようになり、以降日本人にとってなじみのある庶民的な野菜となりました。ナスニンと呼ばれる活性酸素の発生を抑制する抗酸化作用があり、癌を抑制するのに効果があるとされるほか、コリンという機能性物質は、血圧やコレステロールを下げ、動脈硬化を防ぎ、胃液の分泌を促し、肝臓の働きを良くするなどの作用が認められています。焼く、煮る、揚げるなどあらゆる方法で調理されていて、淡白な味で他の食材とも合せやすく、また油を良く吸収し相性が良い食材です。
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ピーマン
もともとはアメリカ大陸の熱帯地域が原産のピーマンは、コロンブスによって多くの国に広められたといいます。日本には 16世紀 には入っていたという記録があります。暑さに強く、病害虫の心配も少なくて、比較的栽培しやすい品目です。また、緑黄色野菜の代表とも入れれるほど栄養価の高い野菜です。栄養的にはカロテン・ビタミンCを多く含みます。ピーマンの苦さは、ポリフェノールの一種「クエルシトリン」にピーマン特有の臭いが加わって感じるということが研究から判明しています。しかし、その「クエルシトリン」には高血圧抑制や抗うつ作用などの効果があるとされています。サラダや炒め物、肉詰めなど、様々な用途で使われる食材です。
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かぼちゃ
原産は南北アメリカ大陸。主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカで、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類を多く含む緑黄色野菜です。日本への渡来は、天文年間(1532年-1555年)に現在の大分県にポルトガル人がカンボジアから持ち込み、大名の大友宗麟に献上したという説が有力です。カンボジアからやってきたので、カボチャという名前がついたと言われています。日本には冬至にカボチャを食べる風習がありますが、江戸時代の記録になく明治時代以降の風習のようです。戦後の食生活の洋風化により西洋かぼちゃの需要が急増し、今ではその9割は西洋かぼちゃが流通しています。煮物、焼き物、スープなど様々な用途で使われる食材です。
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レタス
キク科アキノノゲシ属 の植物のなかで、「チシャ」の分類に入り、その葉を野菜として食べます。チシャには一般的な玉レタスやサニーレタスをはじめ、サラダ菜など色々な種類があり、それらを総称してレタスまたはチシャと呼んでいます。サラダに欠かせない野菜ですが、炒め物や鍋、スープなど、加熱調理もおすすめです。甘みが増し、凝縮されるのでたっぷり食べられます。シャキシャキ感が残るように、短時間で調理するのがポイントです。β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウムなどが含まれていますが、リーフレタスやサラダ菜の方に多く含まれています。レタスの茎を切ると出てくる白い液体はラクチュコピクリンと呼ばれる苦味成分のひとつで、催眠・鎮静作用があると言われています。
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チンゲン菜
チンゲン菜(青梗菜)はアブラナ科の青菜系の野菜で、中国野菜の中でも身近な野菜の1つとなっています。原産地は中国華南地方。日本には1970年代の日中国交回復の頃に入ってきたとされています。生育期間が40日から50日と短いうえ、気温の変化に比較的強いことから、ハウス栽培の活用により1年中市場に出回るようになりました。強い抗酸化作用があり、ガンや生活習慣病の予防に期待できるβ-カロテンが豊富です。葉酸やビタミンCのほか、カルシウム、鉄、カリウムなどのミネラル類も多く含み、ほのかに甘みがあり、煮崩れしない野菜として重宝されています。もちろん中国料理に欠かせない野菜ですが、近頃は西洋料理にも使われるようになりました。
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春菊
キク科シュンギク属に分類される植物。原産地は地中海沿岸。春に花を咲かせ、葉の形がキクに似ていることから春菊と呼ばれています。タミン・カルシウム・葉緑素を豊富に含む野菜です。西日本では1株まるごと収穫する「株張り型」が好まれますが、関東では「立性種」をコマツナと同じように数本結束した荷姿で出荷されます。春菊は独特な風味や香りがアクセントとなり、すき焼きや水炊きなどの鍋料理に重宝されるほか、近頃はパスタや肉料理の付け合せなどにもよく使われるようになりました。長時間煮込むと苦みが出やすいので、子どもなど春菊が苦手な人には、サッと茹でる程度にするのが調理のコツです。
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タマネギ
タマネギは、ネギ属の多年草。原産は中央アジアとされますが、栽培の歴史は古く、紀元前の古代エジプト王朝時代には、ニンニク等と共に労働者に配給されていたそうです。日本に入ってきたのは明治時代で比較的新しい野菜です。1年中店頭に並ぶのは、乾燥させた貯蔵したものが出荷されるためです。収穫後すぐに出荷されるのが「新タマネギ」で、みずみずしく辛みが少ないので生食に向いています。独特の香りと辛さの素は、硫化アリルという揮発性の成分で、疲労回復に必要なビタミンB1の吸収を助け、新陳代謝を活発にしてくれます。肉や魚の臭いを消す働きもあります。また、血液が固まるのを抑えるので、動脈硬化、高血圧などの予防効果も期待できます。
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ごぼう
ごぼうの原種はユーラシア大陸の各地でみられ、日本に入ってきたのは縄文時代という説や平安時代など諸説あります。ヨーロッパや中国では古くから薬用として用いられてきたそうですが、食用の作物として栽培してきたのは日本だけで、台湾や朝鮮半島などで食用にされているのは日本人が伝えたもののようです。何といっても食物繊維が豊富で、便秘の解消に効果が大きい他、不溶性食物繊維の「リグニン」は腸内の発ガン性物質を吸着し、大腸ガンの予防効果があると言われています。イヌリンも多く含まれ、血糖値を改善する働きや、ビフィズス菌の成長を促し整腸効果があるといわれています。カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。ゴボウの香りやうま味は皮に含まれていますので、泥や汚れはたわしなどで擦って洗ったうえで、包丁で表面をこそげ落とす程度にするのが調理のコツです。
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かぶ
カブはアブラナ科アブラナ属の越年草。日本の代表的な野菜の一つで、別名はカブラ、カブナ、カブラナ、スズナ、ホウサイ、ダイトウナ、など数多くあります。「カブ」の語源は、頭を意味する「かぶり」、根を意味する「株」、またはカブラの女房言葉である「オカブ」からとされています。根の部分だけではなく、 葉もおいしく、根は淡色野菜で、葉は緑黄色野菜です。根は生でも、みずみずしくて美味しいですし、漬けたり、焼いたり、煮たりすると、食感や甘味が変化して、様々な料理が楽しめます。葉は、アクもアクが少なく使いやすいので、浅漬けや炒めものなどにして食べます。カリウムやビタミンC、食物繊維、デンプンを分解する消化酵素のジアスターゼなどが含まれますが、生で食べると消化酵素を効率的に摂取できるので、胃もたれや胸やけの解消に良いとされます。葉の部分はβーカロテンやビタミンC、カルシウムなどが豊富で緑黄色野菜に分類されます。
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カリフラワー
アブラナ科アブラナ属の一年生植物。ブロッコリーの突然変異とされ、頂花蕾を食用にする淡色野菜として栽培されるほか、観賞用途でも利用されています。和名はハナヤサイ、ハナカンラン。木立花葉牡丹、花キャベツと呼ぶこともあります。日本には明治初期に渡来しました。第二次世界大戦後に進駐軍向けに栽培が行われ、日本での洋食文化の広まりと、改良種の輸入、栽培技術の進歩により昭和30年頃から広く普及しました。ビタミンCが豊富に含まれ、ブロッコリーと比べると、熱による損失が少ないという研究結果もあります。カリウムも多く、高血圧の予防に役立ちます。最近では、オレンジや紫、緑などいろんな色の品種が出回っています。中でも個性的な形で目を引くのが「ロマネスコ」です。イタリアの伝統野菜で、ヨーロッパで人気のあるカリフラワーの仲間です。円すい形の花蕾が螺旋状に連なる形になり、甘みがあって食感がよいのが特徴です。
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落花生
ラッカセイはマメ亜科ラッカセイ属の一年草。食用にされる種子は別名ナンキンマメ、ピーナッツともいいます。南米アンデス地方原産で、日本ではサヤのままのものを「落花生」や「南京豆」と呼び、この中の実だけのものをピーナッツと呼ぶことが多いです。大きな樹になる果実のイメージがあるかもしれませんが、落花生は地中に出来ます。「落花生」は漢名で、花が落ちた後、子房の下の部分が伸びて地中に潜り、実が生ることに由来します。 日本では「落花生」が音読みされて、「ラッカセイ」と言うようになりました。カロリーが高く、100gあたり生でも295kcal、乾燥させたものだと562kcalも含まれています。オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。この不飽和脂肪酸にはコレステロールを抑制する作用があり、肥満防止に役立つとされています。
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自然薯
自然薯は自然生(じねんじょう)とも呼ばれ、日本が原産のヤマノイモです。その名が示すとおりかつては山に自生している天然のものを収穫していましたが、近年では栽培が盛んに行われるようになりました。もともと野生種で山菜の王者と呼ばれ古くから珍重されてきました。芋の部分だけでなく蔓にはムカゴと呼ばれる大豆ほどの実を付け、これも食用になるほか、春には新芽も山菜として食用とします。昔から強精作用があるとされ、「山のうなぎ」とも言われてきました。アルギニンと呼ばれる酵素が沢山含まれています。ディオスゲニンと言う物質が含まれていて、これは若さの維持やホルモンバランスに関係しているDHEAを増やす役割があるとのことです。また、自然薯には一般的な長芋に比べ約2倍の食物繊維があります。皮をむかずに、ひげの部分は火であぶり、そのまますり下ろしたり、千切りにして食べるのがすべての栄養を取るに適しているとのことです。
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ルバーブ
もともとはシベリアが原産。最も古い栽培植物の一つで、中世以降、ヨーロッパの各国で薬として用いられ、寒冷地に向いたタデ科ダイオウ属の中の食用とされている栽培品種。和名はショクヨウダイオウ(食用大黄)など。多年草で太くて短い地下茎を持ちます。生ではセロリのようなパリッとした食感と強い酸味があります。一般的な調理法は果物に近く、甘味をつけてパイやクランブルなどのデザートに用いられます。
都内産果物
都内産ブランド果物もあるんです
新鮮な東京産果物は、農薬を最小限に抑え、環境にやさしい方法で育てられています。その結果、美しい色合いと豊かな風味が特徴です。地元の農家を応援しながら、季節ごとに異なる味わいを楽しむことができるので、食卓に彩りを添えましょう。地元の恵みを味わい、東京の新鮮な果物の魅力を発見しましょう。
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ナシ
弥生時代にはすでに食べられていたとされ、歴史の古い果物です。明治時代に二十世紀と長十郎が発見されたのをきっかけに、さまざまな品種改良が行われ種類も豊富で、ほぼ日本全国で栽培されています。日本のナシは果皮の色で大きく「赤梨」「青梨」の2種類に分類され、東京で栽培されている主な品種「稲城」「幸水」「豊水」「新高」はすべて赤梨です。うち「稲城」は稲城市で開発された地域ブランド品種で、甘味・果汁とも豊富な大果。また、「新高」は旧東京府立園芸高校で交配されたものです。9月下旬から収穫され、冷蔵庫で約1カ月保存できます。
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ブドウ
ブドウは品種が多く、世界中に1万種類以上が存在するといわれ、日本でその内50~60種類以上が栽培されています。種類によって含有量に差はありますが、抗酸化作用のあるポリフェノール類を含んでいます。果皮の色によって「赤」「黒」「緑(白)」の3つに大別され、都内で栽培されている品種は、「高尾」などの「黒」系が多くなっています。なかでも「高尾」は、東京都農業試験場(現・東京都農林総合研究センター)で育成された東京ブランド品種。ラグビーボールの形をした大粒の種無しブドウで、酸味が少なく、甘味が強いのが特徴です。近年ではハウス利用の緑色系も人気を集めています。
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カキ
日本各地で栽培されている、秋の味覚の代表格。都内でも区部から多摩地域まで広く栽培されています。果肉がやわらかく果汁も多い「富有柿」、コリコリとした食感で果汁が少なめの「次郎柿」が東京育ちの柿の7割を占めています。特産化を目指して東京都農林総合研究センターで作られた「東京紅」は、果皮は色鮮やかな橙色をしていて、果肉が緻密で甘味が強いのが特徴です。カキには甘柿と渋柿があります。渋柿は渋味成分の「タンニン」が口の中で溶けるため渋く感じます。同じ渋柿でも干し柿が甘いのは、天日干しによって「タンニン」が口の中で溶けにくい状態に変わるためです。
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キウイフルーツ
ニュージーランド原産というイメージが強いですが、原産国は中国。別名「チャイニーズ・グーズベリー」ともいわれています。ビタミンC、カリウムなどを多く含み、栄養豊富なキウイ。日本全国、広く栽培されており、10~4月ごろには国内産のキウイフルーツが店頭に並びます。都内でつくられている主な品種は、果肉が緑色の「ヘイワード」。スーパーなどに出回ることはほとんどなく、直売所などで販売されています。小平市内の農家で発見された「東京ゴールド」は、東京生まれのキウイフルーツで、黄色の果肉が美しく、糖度が高いうえ程良い酸味もあって爽やかなのが特徴です。
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ウメ
梅干しや梅酒、梅ジャムなど、さまざまなものに加工されて食されるウメの実は、日本人の食生活には欠かせない存在です。ウメに含まれるクエン酸やリンゴ酸は、疲労回復効果があるといわれ、ミネラルも豊富な優秀なアルカリ性食品。ただ、果物なのに生で食べることはなく、加熱したり漬けたりと加工して食べるのが一般的になっています。古くから、青梅市などで栽培が続けられており、地元農家が開発した中玉の「梅郷」、大玉の「玉英」などの品種が栽培されています。また、青ウメ利用だけでなく、梅干しに向く品種も多く生産されています。
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ブルーベリー
成分のアントシアニンが、眼精疲労の改善に効果が大きいとされるブルーベリー。生はもちろん、ジャムやデザートなどの材料としてもおなじみです。日本での本格的な商業生産は小平市で始まり、小平から日本各地にブルーベリー栽培が広がっていきました。現在でも市内各所には農園が点在し、新鮮なブルーベリーを販売する農園のほか、摘み取りを行う観光農園もあります。品種はラビットアイ系と呼ばれるものがほとんどで、実が熟す前の夏の暑い時に、その名のとおり、ウサギの目のように赤くなります。収穫後は時間とともに風味も低下するので、新鮮なうちに食べるようにしましょう。
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パッションフルーツ
小笠原の農産物中、随一の生産高を誇り、爽やかな香りが魅力で、「香りの王様」といわれています。半分に切って、スプーンですくって種ごと食べます。香りがあれば果皮がつるっとしていても甘酸っぱくおいしいですが、表面がしわになる程度まで室内に置いておくと、甘味と香りが増します。この香りを生かして、ジャムやジュース、アイスクリームなどの加工品などにも幅広く利用されています。ちなみにパッションとは「キリストの受難」の意味。花の形がキリストが十字架にかけられた姿に似ていることからその名が付きました。伊豆諸島での栽培も拡大しており、近年では八王子市でも栽培されています。
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レモン
近年は、国内でも作られるようになり、国産レモンもスーパーなどで見かけるように。現在、小笠原と八丈島で栽培されている品種は「菊池レモン」で、「島レモン」の名前で出荷されています。菊池レモンは戦前に菊池雄二さんがテニヤン島から八丈島に持ち込み、その後、小笠原に伝わったとされています。一般的なレモンと比べ、酸味がまろやかで爽やかな香りがあり、サイズも大きく青いうちから食べられます。ジャムやペースト状のカードといった加工品や、島特産の焼酎の水割りに島レモンを浮かべた「水レモン」が人気。そのほか八丈島では樹上完熟させた黄色い菊池レモンを、「八丈フルーツレモン」として出荷しています。小笠原でも様々な加工品の生産に利用され、島レモンを特産品として商品化しています。詳しくは下記動画を参照ください。
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イチゴ
南アメリカ原産のイチゴは、幕末にオランダ人が日本に初めて伝えましたが、現在栽培されている品種は明治時代に入って来たものです。明治32年(1899)、内藤新宿試験場(現在の新宿御苑)に勤務していた福羽逸人がイチゴの促成栽培に成功し、彼の名を冠した品種「福羽」が誕生しました。以後、日本では「福羽」をベースに品種改良が進められ、さまざまな品種が登場しました。イチゴには休眠と呼ばれる期間があり、一定期間の低温状態を経て、再び生育が始まって実が熟します。この休眠期を調整することで、長い期間収穫できるようになりました。都内では「章姫」や「紅ほっぺ」、「とちおとめ」などが栽培されており、摘み取り体験ができる農園もあります。
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マンゴー
インドからマレー半島周辺が原産地とされ、「南国フルーツの王様」とも称されるフルーツです。東京都では年間を通して温暖な小笠原諸島で栽培が盛んです。熟すと果皮が赤くなる「アップルマンゴー」と呼ばれるアーウィン種を中心に栽培されており、樹上で完熟させてから収穫するため、実は香りがよく、甘みと酸味のバランスも絶妙です。太陽をたっぷり浴びて育ったマンゴーは、色づきがよく大きくて食べごたえがあることから、贈答品としても喜ばれています。また濃厚な味わいを生かし、ジャムなどに加工され、島のみやげとして販売されています。
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ミカン
武蔵村山市で栽培されているミカンは、江戸時代に中国から伝わった木がルーツとされる温州ミカンを改良して生まれた「宮川早生」という品種で、収穫時期が早いのが特徴です。武蔵村山市では昭和30年代半ばに栽培が始まり、当初はここがミカン栽培の北限といわれていました。多摩湖の南側に広がる狭山丘陵は、日当たりがよく昼と夜の寒暖差が大きいこと、水はけのよい土壌であることなどがミカン栽培に適していたようで、甘さの中に程よい酸味が感じられます。収穫時期は1カ月程度ですが、この時期にミカン狩りを楽しむこともできます。
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ユズ
昼夜の気温差と水はけのよい土壌は、柑橘類の栽培に欠かせない条件です。その条件を満たす西多摩エリアでは、ユズの栽培が盛んです。青梅市沢井地区で栽培されているユズは香りが強いのが特徴で「澤井ゆず」の名で知られています。あきる野市では急斜面を利用して栽培されており、その地形からとった「盆堀(ぼんぼり)ゆず」という名で親しまれています。収穫したユズはサイダーやワイン、ポン酢、最中などにも使われ、ご当地名物として販売されているほか、11月中旬から下旬にかけてユズの収穫祭イベントも各地で行われます。
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栗
ブナ科クリ属の木の一種。日本において、栗は縄文時代初期から食用に利用されていました。世界中に数多くの品種がありますが、大きく分けると日本栗をはじめ、中国栗、ヨーロッパ栗、アメリカ栗があります。中でも日本栗は自生する芝栗を改良したもので、粒が大きいのが特徴です。ビタミンB1を多く含み、渋皮にはポリフェノールの一種、タンニンが多く含まれており、この強い抗酸化作用により、老化の防止やガンの予防に効果があるそうです。ビタミンCも豊富で、ジャガイモと同じようにデンプン質に包まれているため、加熱しても壊れにくく摂取しやすいとされています。甘さを生かして石焼きにした甘栗、栗飯(栗ご飯)の具、菓子類(栗きんとんなど)の材料に広く使われています。
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ドラゴンフルーツ
ドラゴンフルーツまたはピタヤは、熱帯地域に生息するサンカクサボテンの果実の総称で、日本では「ドラゴンフルーツ」として流通しています。東京では小笠原、三宅島などの島しょ部で生産されています。いくつかの種類がありますが、主なものは、果実の表面と果肉が鮮やかな赤い色をしているレッドドラゴンフルーツと果皮は同じ様に赤いいけれど果肉は白い「ホワイトドラゴンフルーツ」又は「ホワイトピタヤ」、そして果皮が黄色い「イエローピタヤ」があります。白い果肉にゴマのような種子が散らばって入っています。レッドドラゴンは果肉にも赤身が入っていますが、ホワイトドラゴンやイエローピタヤは白い果肉です。水分をたっぷりと含み、熱帯地方にふさわしいシャキシャキした食感とさっぱりした甘さが特徴で、酸味はほとんどありません。カリウムが比較的たくさん含まれているので、体内の塩分を調節する効能があります。冷やしてそのまま、または冷凍庫でシャーベットにして楽しめます。
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パパイヤ
メキシコ南部から西インド諸島が原産とするパパイア科パパイア属の常緑小高木。その果実も「パパイア」と言います。「チチウリノキ」、「モッカ」、「マンジュマイ」、「パウパウ」、「ポーポー」、「ママオ」、「ツリーメロン」などと呼ばれることもあります。熱帯の果実と思われていますが、小笠原諸島や東京都内でも育てられています。果肉はやわらかく黄色からオレンジ色をしています。酸味はほとんど無く、マッタリとした甘さを感じます。パパインと呼ばれるタンパク質を分解する酵素が含まれ、サラダや炒め物などにして肉料理と一緒に食べると消化を助けてくれたり、パパイヤのピューレに肉を漬け込むことで肉を柔らかくすることができます。カロテンやビタミンC、カリウムも豊富な果物です。
その他
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茶
都内では、古くから多摩北西部で生産されています。東京都、埼玉県ともに作られているのは狭山茶ですが、東京都内産のものを埼玉産のものと区別するため昭和初期に「東京狭山茶」と名付けられました。この地は冬が寒く、その気候が肉厚の茶葉を生み出し、甘味のあるお茶ができます。また、低温で長時間加熱する「狭山火入れ」と呼ばれる仕上げ法が、狭山茶独特の甘く濃厚な味わいをもたらしています。さらに、収穫は春と夏の二番茶までと、国内のほかの産地より少なく、その分、コクと旨味のあるお茶になるといわれています。
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東京紅茶
東京狭山茶の茶葉から作られる国産紅茶です。古くから緑茶の栽培が盛んだった日本では、明治時代から紅茶の製造・販売に取り組み、海外への輸出も盛んに行われていました。昭和46年(1971)の輸入自由化による価格競争で国産紅茶は生産が縮小してしまいましたが、輸入紅茶とはひと味違う風味をもつ「和紅茶」として再び注目を集めています。ほのかな甘みとまろやかな口当たりを楽しむには、ストレートで味わうのがおすすめ。和菓子や食事にもよく合います。日本茶のように茶葉を急須やポットに入れるタイプのほか、手軽に楽しめるティーバッグも販売されています。
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米
和食に欠かせない日本のお米は世界に2万種類以上の品種があり、ジャポニカ種とインディカ種に分けられます。私たち日本人が一般的に食べているのはジャポニカ種ですが、世界で見ると粘りの少ないインディカ種の方が多く作られています。日本国内では、「こしひかり」や「ひとめぼれ」などの主食用の品種以外に、もち米、日本酒用などを合わせて約900品種が作られています。
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コーヒー豆
コーヒー豆は、コーヒーノキから採取される種子。生産されたままの生の状態を生豆、加熱加工されたものを焙煎豆といいます。 焙煎・粉砕したコーヒー豆を湯や水で抽出したものがコーヒーとして世界中で飲まれています。焙煎や挽き方、淹れ方によって、様々な風味が楽しめる嗜好飲料として、豆ごとにこだわりの飲み方が楽しめます。リラックス効果があるカフェインを含むのは有名ですが、コーヒーに含まれれるポリフェノールの一種のクロロゲン酸は、脂肪分解と脂肪蓄積抑制効果を持ちます。カフェインとクロロゲン酸のW効果により、食事から摂取した脂肪が体に溜まりにくくなり、脂肪の燃焼が促進されるといいます。運動前に飲むのがおすすめです。小笠原では明治時代に栽培が試みられ、「コーヒー山」という地名が今も残っています。大変貴重な「純国産」コーヒーは、小笠原の名物にもなり、都内でも僅かですが小笠原コーヒーが楽しめる飲食店があります。
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東京狭山茶
瑞穂町、武蔵村山市、東大和市、青梅市などで生産されている狭山茶。この地域は江戸時代から茶どころとして知られています。作られているのは狭山茶ですが、東京都産のものは埼玉県産のものと区別するため、昭和中期に東京狭山茶と名づけられました。他産地では年3回から4回新芽を摘むのに対して、春と夏の2回のみ新芽を摘みます。主として、やぶきた、さやまかおりの品種が栽培、生産されています。東京狭山茶を原料とした紅茶「東京紅茶」も生産、販売されており、東京の新たな特産物としてブランド化されています。東京狭山茶関連のイイシナ登録商品東京紅茶 https://tokyogrown.jp/e_mark/detail?id=571420東京ショコラン・テ https://tokyogrown.jp/e_mark/detail?id=571422